旧八百津発電所資料館 絵画 2010年07月19日 先日、岐阜県八百津町の「旧八百津発電所資料館」に行ってきました。以前から噂には聞いていたのですが、なかなか足を運べず、一年越しの念願叶うところとなりました。八百津発電所とは、明治44年に当時日本有数の発電所として建造されました。当時は火力から水力へと発電の主力が移る時代、技術的にも確立されておらず、紆余曲折を経て完成に至った、歴史と物語を持つ発電所です。発電所の立地や機器の選定ミスもあり、難工事や事故を招き、建設費も膨らむ事となりました。しかし、困難を克服する事で、外国技術の吸収、国産技術の向上が進み、自立の足がかりとなったと言います。今では国の重要文化財にも指定され、資料館として公開されています。レンガ造りですが、外装はモルタル塗りで、全体に白い建物です。ヨーロッパ風の建築で、近くで見ると大きくて結構な迫力。軒高は12mあるのだそうです。中に入ると、一部崩れていたりしてドキドキを味わえます。更に発電装置などの機械郡が異様な存在感を放ち、圧倒されます。ここにはアップしませんが、この機械郡が、まあ絵になる事…。一度ご覧になる事をお勧めします。この迫力は見なければ分かりません。写真左の白い大きな建物が八百津発電所本館。その手前の一段低い所にある小さい建物は、放水口発電所です。放水口から出る、落差7mの水を再利用して発電するその発電装置は、貴重な産業遺産であり、他に現存する類例は無いと言います。奥に見えるのは円山変電所。こちらは現役です。歴史と産業。大きく時代が変わる悲しさのようなものが透けて見え、この悲しみのもとに今が成り立っている事実に、僕たちは真摯に向き合わなければいけないと感じました。芸術とは、自らの耐えられない進化の重さを表現する事かも知れない、と大げさに思ったりもしています。時間が許すのであれば、とにかく一度、この風景を描いてみたいと思います。 PR